新年を祝う縁起物や飾りには、どんなものがある?
新年を祝う縁起物や飾りの話
日本のお正月には、古くから伝わるさまざまな縁起物や飾りが登場します。これらの縁起物や飾りには、家族の健康や繁栄、豊作や幸運を願う意味が込められており、日本の文化や伝統を象徴するものです。それぞれの品々が持つ歴史や意味を知ることで、新年を迎える際に一層深い感謝と希望を感じられるのではないでしょうか。本記事では、代表的な縁起物や飾りを紹介し、その背景や意味についてまとめています。
水引
水引(みずひき)は贈答品やお祝い事で使用される伝統的な飾り紐で、細い紙を撚って作られます。色や結び方によって意味が異なり、特に紅白の水引は「平和」や「調和」を象徴します。結び方には「固く結ばれる」という願いが込められ、特に新年には良い縁や結びつきを願う象徴として使われます。
破魔矢
破魔矢(はまや)は「邪気を払う矢」として、魔除けや厄払いの意味を持ちます。お正月に神社で授与され、家の中に飾ることで一年間の無病息災を願います。武器としての弓矢が由来であり、悪いものから家族を守る力強い縁起物です。
熊手
熊手(くまで)は商売繁盛や福を「かき集める」象徴として、新年の飾りに用いられます。特に熊手市では豪華に装飾された熊手が販売され、福を呼び込むための縁起物として多くの人々に親しまれています。竹で作られた熊手の形状が、繁栄を象徴しています。
餅花
餅花(もちばな)は、枝に小さな餅や団子を飾り、豊作や繁栄を願う飾りです。特に農村では、五穀豊穣を祈るために餅花が作られ、春の芽吹きを迎える前に飾られます。餅の柔らかさが豊かさを表し、華やかな飾りとして新年を祝います。
注連縄
注連縄(しめなわ)は神聖な場所を示す結界の役割を持ち、神を迎えるために家や神社に飾られます。縄の素材には稲わらが使われ、その太さや巻き方によって意味が変わります。悪霊や不浄なものが中に入らないようにする魔除けの意味があり、新年の始まりを守ります。
注連飾り
注連飾り(しめかざり)は、注連縄と同じく神聖な場所を示し、門や玄関に飾られます。稲わらに縁起物の飾りを加え、さらに豪華に仕立てることで福を呼び込み、悪いものを遠ざけるとされています。特に、橙(だいだい)や紙垂(しで)を添えることで家庭の繁栄や長寿を祈ります。
鏡餅
鏡餅(かがみもち)は正月の象徴的な飾り物で、神様に捧げる供物として古くから親しまれています。二つ重ねられた餅は、太陽と月、陰と陽を表し、円形は調和と円満を意味します。新年の無病息災を願って鏡開きが行われ、家族で餅を分け合い一年の健康を祈ります。
門松
門松(かどまつ)は松や竹を用いて玄関先に飾る縁起物で、新年に神様をお迎えするための目印となります。松は「常緑」で不老長寿を、竹は「真っ直ぐ成長する」姿から繁栄を象徴します。門松を立てることで家族の幸福や繁栄を願います。
紅白紐
紅白の組み合わせは日本文化で祝い事に使われる色で、「赤」は生命力、「白」は清浄を表します。紅白紐は新年や祝い事に結ばれ、平和や繁栄を願う意味を持ちます。色彩の対比が目にも鮮やかで、希望を感じさせる飾りです。
祝い箸
祝い箸はお正月や祝いの席で使われる特別な箸で、両端が細くなっています。これは「神様と人が共に使う箸」という意味が込められており、食事の際に神様に感謝を表すために使われます。白木で作られた箸が神聖さを象徴し、新年を祝います。
おせち
おせち料理は、新年を祝うために準備される料理で、使われる食材やそれぞれの料理に縁起の良い意味が込められています。たとえば、「黒豆」は健康や勤勉を、「数の子」は子孫繁栄を象徴しています。食材一つひとつに新年の幸福や繁栄を祈る願いが込められています。
たちかづら
たちかづら(ヒカゲカズラとも)は、古代から神事に使われる植物で、「古事記」にも登場します。神聖な場所に飾られ、不滅の生命力を象徴するため、神事や正月飾りとして用いられています。
うらじろ
うらじろはシダ植物の一種で、葉の裏が白いことから「心の潔白」を象徴し、さらに葉が向かい合うことから「夫婦円満」を願う縁起物とされています。注連飾りや門松に飾られ、家庭の繁栄や調和を祈ります。
楪
楪(ゆずりは)は、新しい葉が出たときに古い葉が落ちることから、「代々続く繁栄」を象徴しています。家系の永続や子孫繁栄を願う縁起物として、正月飾りに用いられます。生命の循環と家族の繁栄を表現するため、特に新年にふさわしい植物です。
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この読み物を書いた人

松岡 雄太
1985年生まれ、埼玉県浦和市(現さいたま市)出身。3児の父。15歳の時に地元の鮨屋でアルバイトを始めたことから和食に惹かれ、日本料理の世界へ入り鮨・割烹・懐石の修行を積む。リッツカールトンシンガポールの老舗「白石」などを経て、令和元年に魚菜 基の店主となる。2022年5月より、【浦和 惜景(せっけい)】の料理長も兼任。コロナ自粛期間中にソムリエ資格を取得したほどのワイン好き。
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