鱧を使った冬瓜の印籠巻き|冬瓜の料理

はじめに

今回は冬瓜と鱧を使用した印籠巻きを作りました。印籠巻き(印籠煮とも)はその名の通り、武士が腰につける「印籠」に見立てて仕上げた料理のことです。ご自宅で料理される場合は鰻や穴子などを用いてあげても良いかと思います。

冬瓜の話|旬は冬ではない!?

「冬の瓜」と書く冬瓜(とうがん)ですが、実は冬の野菜ではなく7-9月が旬の夏野菜です。納屋などの涼しく日が当たらない場所に保管しておくと冬まで持つことが「冬の瓜」と呼ばれる所以です。農家を営んでいた祖父母が冬瓜を栽培していたため、夏になると実家の食卓に並んだことを覚えています。

材料

  • 冬瓜
  • ★出汁
  • ★味醂
  • ★薄口醤油

冬瓜の下ごしらえ

5分の1サイズで輪切りにした冬瓜の皮を薄く剥いていきます。煮た時に綺麗な翡翠色となり仕上がりを楽しめるため、薄く剥くのがポイントです。皮が厚いため、金属製のヘラやピーラーなどを使って落としても良いでしょう。

皮を剥いた冬瓜を2-3mmの厚さでカツラ剥きにしていきます。種とわたのある芯部分は使いません。

塩水で下ゆでをして、特有の青臭さを和らげ、煮込んだ際に味が沁み込みやすくします。

氷水につけて熱を取ります。

鱧の下ごしらえ

鱧特有の調理方法である「骨切り」をしていきます。ご家庭で鱧を調理する機会は少ないと思いますが、最近はスーパーでも鱧が並んでいることがありますので是非試してみてください。

骨切りをした後に手のひらサイズに切り分け、片栗粉をまぶします。

香ばしさを出すため、皮目を焼きます。仕上げで煮込む際に火は通るので、ここでは手で押して焼き目を綺麗に入れます。

ラップで包み、形を整えます。一度しっかりと冷やすと巻きやすくなります。

鱧を冬瓜で巻く

冬瓜を伸ばし、片栗粉を薄くまぶします。

鱧を冬瓜で巻いていきます。

出汁取りと煮込みく

鰹節と昆布で取った合わせ出汁にさらに鱧の骨を加え、旨味を加えます。

薄口醤油と味醂を少量ずつ加えます。

荷崩れしないようにガーゼで巻き、冬瓜の優しい味わいが損なわれないようにさっと煮詰めます。

仕上げ

一口大に切り分けます。煮詰めたあとに一度ラップで巻き、冷ますことで、鱧のゼラチンが固まり切り分けやすくなります。

盛りつけたあとに出汁をかけます。


冬瓜の印籠巻き
作り方のポイントまとめ

01.冬瓜の皮は薄く剥く

02.鱧の骨切りはしっかりと

03.出汁で冬瓜を邪魔しないように

鱧を使った冬瓜の印籠巻き、完成

この読み物を書いた人

魚菜 基  料理長

松岡 雄太

1985年生まれ、埼玉県浦和市(現さいたま市)出身。3児の父。15歳の時に地元の鮨屋でアルバイトを始めたことから和食に惹かれ、日本料理の世界へ入り鮨・割烹・懐石の修行を積む。リッツカールトンシンガポールの老舗「白石」などを経て、令和元年に魚菜 基の店主となる。2022年5月より、【浦和 惜景(せっけい)】の料理長も兼任。コロナ自粛期間中にソムリエ資格を取得したほどのワイン好き。

魚菜 基のご紹介

店舗

さいたま市・浦和駅にある和食・割烹店の魚菜 基では、「和」の本来の楽しみ方を追求し、四季折々の新鮮な旬の味覚をつかった懐石料理をお楽しみいただけます。市場に足を運び仕入れた季節の素材を、もっともふさわしい調理方法で。滋味深く、身も心も温まる贅沢な味わいの逸品を、大切な人や仲間とゆっくりと語らいながらしみじみと味わう、そんな思い出に残る特別なひと時をご提供致します。

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