石垣貝の酢の物の作り方|石垣貝の料理

はじめに

今回は石垣貝という二枚貝を使用した酢の物<石垣貝の酢の物>を作りました。濃厚な旨味とコリコリとした食感を持つ石垣貝と一緒に、ハスイモと緑酢にした胡瓜を使い、贅沢な一品に仕上げています。

石垣貝の話

石垣貝とは夏から秋にかけて旬を迎える2枚貝で、トリ貝に似た甘さを持っています。「石垣」という名前とは裏腹に三陸産が多く、イシカゲ貝とも呼ばれており、高級貝の一つとして知られています。私が修行を積んでいた15年ほど前には築地市場への流通も少なく、あまり認知されていない貝でしたが、最近は養殖が盛んでお寿司屋さんなどでも見かけるようになりました。

材料

  • 石垣貝
  • ハスイモ
  • 胡瓜
  • ★米酢
  • ★味醂
  • ★薄口醤油
  • ★砂糖

下ごしらえ

石垣貝は食べる直前に酢と合わせて仕上げるため、はじめにハスイモの下ごしらえから始めます。ハスイモとは里芋などの茎の部分。繊維の強い外側の部分を剥いたあと、火を通すために縦に切ります。

ハスイモは特に青いものに関しては生でも食べることが出来ます。アクを抜く場合は今回同様に火を入れましょう。

氷水で熱を取る

火を入れたハスイモのアク抜きと食感を良くするために、氷水で熱を取ります。その後しっかりと絞り、水を切ります。

酢の物用の出汁の準備

和食の美味しさの基本と言える出汁には、昆布と鰹節の合わせ出汁を使いました。はじめに昆布から出汁を取り、その後鰹節を入れて丁寧にこします。

緑酢の準備

胡瓜をすりおろし、酢と合わせたものを<緑酢(みどり酢)>と呼びます。

胡瓜を塩で揉み少し置いて水分を取ったあと、すりおろしていきます。

綺麗な緑は料理を華やかにします。

合わせ酢の準備

石垣貝の味を引き立てるため、今回は米酢・味醂・薄口醤油・砂糖を使った合わせ酢にしています。

貝に比べて漬かりに時間のかかるハスイモは先に漬けておきます。

石垣貝の下ごしらえ

貝むきを使い、石垣貝をむいていきます。

包丁を入れ、開きます。

ワタをしっかりと取り除きます。

生の新鮮な貝は身が締まっていないため、叩くことで身が引き締まりコリコリとした食感をより楽しむことができます。下ごしらえの完了です。

盛り付け

ハスイモと石垣貝を器に盛りつけ、合わせ酢をかけたあとに緑酢を盛ります。


石垣貝の酢の物
作り方のポイントまとめ

01.新鮮な石垣貝と丁寧な下処理

02.出汁は昆布と鰹から取る

03.酢も合わせ酢で味わい深く

石垣貝の酢の物、完成

この読み物を書いた人

魚菜 基  料理長

松岡 雄太

1985年生まれ、埼玉県浦和市(現さいたま市)出身。3児の父。15歳の時に地元の鮨屋でアルバイトを始めたことから和食に惹かれ、日本料理の世界へ入り鮨・割烹・懐石の修行を積む。リッツカールトンシンガポールの老舗「白石」などを経て、令和元年に魚菜 基の店主となる。2022年5月より、【浦和 惜景(せっけい)】の料理長も兼任。コロナ自粛期間中にソムリエ資格を取得したほどのワイン好き。

魚菜 基のご紹介

店舗

さいたま市・浦和駅にある和食・割烹店の魚菜 基では、「和」の本来の楽しみ方を追求し、四季折々の新鮮な旬の味覚をつかった懐石料理をお楽しみいただけます。市場に足を運び仕入れた季節の素材を、もっともふさわしい調理方法で。滋味深く、身も心も温まる贅沢な味わいの逸品を、大切な人や仲間とゆっくりと語らいながらしみじみと味わう、そんな思い出に残る特別なひと時をご提供致します。

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